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からすやま司法書士事務所

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遺言書を作成すべきケース

遺言書は、現在いろいろな方がいろいろなお考えの下に作成されています。遺言書を作成するかしないかは、当然個人の自由ですが、特定の状況においては、積極的にその作成をしておくべき場合があります。以下に、積極的に遺言書を作成すべきと考えられる代表的なケースを2例ほどご紹介させていただきます。

1.子がいない夫婦で、自分に兄弟姉妹がいる場合において、配偶者に自分の全ての財産を残したいとき

2.離婚した前配偶者との間に子がいて、現在の配偶者との間にも子がいる場合

以上のケースにおいて、遺言書を作成しないまま相続が開始すると、上記1については配偶者と自分の兄弟姉妹との間で、上記2については前配偶者の子と現在の配偶者およびその子との間で遺産の分割について協議をしなければなりません。なお、遺産である預貯金の解約や不動産の名義変更には、その協議に関する遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印を押印したもの)および印鑑証明書が必要になります。これらの方の間では、お話し合いがスムーズにできれば何ら問題はありませんが、関係が疎遠などで意思疎通が難しいことが往々にしてあります。

以上のケースで、上記1においては全財産を配偶者に相続させる旨、上記2においては(遺留分※に留意しつつ)自分の望む分割方法により各相続人に財産を相続させる旨の遺言書を作成しておけば、残された相続人に意思疎通についての余計な問題を残す心配は軽減されます。なお、上記2においては、兄弟姉妹には遺留分※がありませんので、配偶者に全財産を相続させる旨の遺言書を作成しておけば、そのとおり遺産承継を実現することができます。

以上のように、ご自身が亡くなった後残されたご家族に遺産の相続で余計なお悩みごとが生まれないよう、一度ご自身の将来を想像し、お元気なうちに遺言書の作成について検討してみることをお勧めいたします。

※ 遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に法律上保障された一定の遺産分配割合のことをいいます。

自筆証書遺言の方式の緩和に関する改正

自筆証書遺言(遺言者の手書きによる遺言書)の作成の方式は、民法による決まりがあり、その決まりに従っていないと原則として無効となってしまい、遺言者の希望する遺言内容を実現することができなくなってしまいます。

上記の自筆証書遺言に関する決まりが平成31年1月13日から変更されました(民法968条2項)。

変更前の決まりは、遺言者本人が、遺言書の全文、日付および氏名を自書し、これに押印することになっていました。そのため、財産目録(相続させる財産の内容が記載された部分)も自書しなければならず、例えば不動産や預貯金の内容を記載する場合は原則として登記簿や預貯金通帳どおり正確に記載する必要があり、とても面倒で、また間違いを生じさせやすかったと言えます。

この決まりが、1月13日からは、遺言書のうち財産目録については自書によらなくてもよくなりました。ただし、その場合、その財産目録のページには、遺言者本人が署名し、押印しなければなりません。

これにより、自筆証書遺言の作成における面倒さ・間違いやすさが緩和され、遺言者の希望の実現がしやすくなりました。なお、今後の改正(2020年7月10日施行予定)では、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度が創設される予定となっており、ますます遺言書の活用がしやすくなります。ご家族を相続争いに巻き込ませないよう、遺言書の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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